メローニ首相の政治手腕と人気の理由
メローニ首相への支持率が下がらず、むしろ上がっているのは、マニフェストに掲げた事柄について、公約どおり一つひとつ着実に有言実行しているからだろう。
「エネルギー価格高騰」の対処については、スーパーボーナスをより首尾一貫して適用可能なものにし、労働者と企業の利益のために、税金と拠出金のくさびを削減することで「労働税の削減」をして負担を軽減させた。
前例のない「移民の急増加問題」に関連しては、国の領土全体で6カ月間の非常事態を宣言した。緊急管理は、中長期的な政策で構造的な解決策の基礎を築いていき、効率的かつタイムリーな対応を行い、庇護希望者の承認手続きの時間短縮化を図っている。
中国との協定「一帯一路構想」を更新するかがポイント
メローニ首相は、選挙公約でもこだわっていた「メイド・イン・イタリーの保護」のために経済開発(企業およびメイド・イン・イタリー)省を新設した。
農業省、保健省、経済開発省の3つの省庁によって「昆虫食品に対する4つの新規則」に、共同で署名された新法令が誕生し、同日「イタリアの伝統的な食文化、古典的イタリア製食品とイタリア料理」をユネスコ無形文化遺産にするための申請書を提出した。
イタリアはG7諸国の中で唯一、中国と「一帯一路構想」(BRI)として知られる鉄の協定を結んでいる。2019年にコンテ政権が署名したが、2024年3月で期限が切れるため、更新する必要があるが、米国はこれを更新しないよう圧力をかけている。
現在、非公式交渉では決定を数カ月延長することになっている。この問題は、G7のアメリカとイタリアの二国間会談で非公式の会合の主題であり、メローニは両者の異なる立場をできるだけスポットライトから遠ざけるよう努めていたようだが、イタリアは、11月末までの期限付きで最終決定をしなければならず、決定を棚上げする文書の決定を迫られている。