障害年金受給に結びつけた妹の苦労と情熱

二つの書類の説明を終えた筆者は、妹に言いました。

「参考資料および病歴・就労状況等申立書は私(筆者)の方で作成します。妹さまにお願いしたいことは、お兄さまやご両親から当時の様子を聞き取っていただき、その内容を私にお伝えいただくことです」

「分かりました。兄や両親から聞き取って、そのエピソードをまとめておきます」

その後、妹からエピソードを聞き取った筆者が参考資料を作成。参考資料を妹から医師に渡してもらい、無事、兄の現状をふまえた診断書を入手することができました。さらに筆者はその他の必要書類もそろえ、障害年金の請求を完了させました。

請求から3カ月が過ぎた頃。妹から報告がありました。

「おかげさまで障害基礎年金の2級が受給できたとの通知が届きました。一時はどうなるものかと不安でいっぱいでしたが、何とかなりました。弟も収入を得られるようになり、少しは気持ちが安定したようです。この度はご協力いただき、どうもありがとうございました」

妹はうれしそうな声でそう言いました。

妹には自分の家庭があり、子育ても仕事もしています。目まぐるしい毎日を送っている状況のなか、兄と両親を説得し、兄を病院に受診させ、時には通院に同行し、障害年金の受給にまで結びつけた。その妹の努力や苦労は計り知れません。苦難にもくじけずに情熱を絶やさなかった妹に対し、筆者は尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。

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