企業規模や人気度ごとに内定者の学歴に傾向がある

では、給与水準の高い企業や人気企業は、どの大学の学生に内定を出しているのでしょうか。先ほどは大学側から見ていたものを、今度は企業の側から見てみましょう。

ここでご紹介するのは、企業ごとの採用学生の学歴です。各業界のトップ企業を抽出し、『就職四季報』に掲載されている採用実績校に加え、当社に所属する教員、塾の卒業生のデータから、「どんな学歴の学生が内定を得たのか」を調査しました。

すると、業界ごと、あるいは企業規模や人気度ごとに、内定者の学歴には大きな傾向が見られました。ここでは、採用した学生の学歴が高い順に、企業にSからCまでにランクづけして、業界や企業を紹介していきましょう。

また、内定者の分布についても、「学歴上位層」「ボリューム層」「学歴下位層」に分けて見ていくこととします(なお、ここで示すのはあくまで推定であり、傾向です。各企業へのお問い合わせはお控えください。また、ここで対象としているのは、就活生に広く認知されている各業界のトップ企業の「総合職採用」のみです)。

【内定者学歴ランク】
S:超上位校の学生を主に採用している「超高学歴」企業
A:上位校の学生を主に採用している「高学歴」企業
B:MARCHの学生を主に採用している「MARCH中心採用」企業
C:偏差値による採用傾向のない「学歴フィルターなし」企業

【内定者の分布】
学歴上位層:その企業が内定を出している学生の中でも、比較的偏差値が高い大学群
ボリューム層:その企業が内定を出している学生が最も多い大学群
学歴下位層:その企業が内定を出している学生の中でも、比較的偏差値が低い大学群

「Sランク」は外資系の金融や戦略コンサル

それではさっそく、Sランク企業から紹介しましょう。

Sランク――「超高学歴」企業

採用する学生の「ボリューム層」が、

・東京一工:東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学
・旧帝大:東京大学・京都大学・名古屋大学・東北大学・北海道大学・大阪大学・九州大学

で、「学歴下位層」が、

・早慶上位学部:政治経済・法・理工(早稲田)/法・経済・医・理工・薬(慶應)

なのが、「Sランク」企業です。

こうした採用傾向は、ゴールドマン・サックス証券、バークレイズ証券、ドイツ銀行グループなどの外資系の投資銀行(証券会社)や、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーなどの外資系戦略コンサルティング会社、そして日本M&Aセンターやジャフコグループ、ケネディクスなどのファンド会社で見られます。