「除染」は、最終的にはすべて国民負担になる

福島第一原発の事故後、世界中に“放射能恐怖症”が広がったが、今や事故当事国である日本の原発、放射能アレルギーは私の理解を超えて、異常な状況が続いている。その象徴といえるのが、放射性物質を取り除く除染問題だ。

今、除染の限界線量(閾値)はどんどん下がり、逆に除染費用はうなぎ上りに上昇している。こうなると巨大な除染産業が勃興してきて、かつての自民党政治時代の砂防会館に象徴される「砂防ダム」のように、ホットスポットを見つけてきては予算を分捕る「利権化」が起きてくる。その利権の強い味方になっているのは、乳飲み子を抱えた母親であり、「校庭で遊べない子供が可哀そう」などと騒ぐ親へのインタビューを得意とするマスメディアである。

実をいえば、広島、長崎での被爆経験を持つ日本は、放射線が人体に与える影響に関するデータを、世界で一番持っている。しかし、そのデータが有効に使われることなく、正確な知識も広まらずに、ただ単に「放射線は恐ろしい」というイメージばかりが先行し、神経質な対応を重ねているのが現状だ。