筋トレで体の老化を遅らせる
「平坦な道でつまずくことが、早死にと関係あるの?」。そう思うのも無理はありません。しかしながら、実はこれも早死にと関係しています。
運動中枢は脳にあります。脳の血行が悪くなれば、脳は萎縮し、運動神経の機能が低下します。片足で立てない人は脳血栓や脳梗塞が起きている可能性が高いともいわれています。
また血行が悪くなっているほかに、筋力の低下がつまずく理由として挙げられます。平坦な道で転ぶということは、足の筋力が落ちて足を持ち上げられない、すなわちすり足になっているということです。
体の筋肉量は体重の40%を占めており、そのうち70%が下半身に集中しています。中でも一番大きな筋肉が臀部と大腿部の筋肉です。年をとってこれらの筋肉が細くなると、今まで支えていた体重が支えられなくなり、体重がそのまま膝や腰にかかりますから、膝痛や腰痛が発生しやすくなります。それと同時に糖尿病や高血圧、痛風も増えてくる傾向があります。筋肉は内臓の病気とも深く関わっているわけです。つまり老化というのは筋肉の衰えのことなのです。
では、どうしたら老化を遅らせることができるのか。答えは簡単です。筋肉を鍛えればよいのです。
筋肉を鍛えると、筋肉細胞からマイオカインというホルモンが分泌されます。マイオカインは血圧やコレステロール、中性脂肪、血糖の数値を下げ、また心臓を強くしてくれます。そしてがん細胞の増殖を抑えてくれることもわかっています。老化のサインが出てきたら筋肉を少しずつ鍛えましょう。
AM0〜2時は睡眠のゴールデンタイム
次に、早死にした人の生活習慣について見ていきましょう。故人の早逝ともっとも関連があると思われている生活習慣は、日常的な喫煙でした。
タバコに含まれるニコチンは、全身の血管を縮めます。つまり、喫煙によって血流が悪くなり、瘀血の状態を引き起こします。加えて、タバコの煙というのは大気汚染の濃縮型のようなものですから、それを吸っていると考えれば体によくないのは当然です。
ただし、タバコも「百害あって一利なし」とは言い切れません。タバコは煙を吐くことによってリラックスを司る副交感神経がよく働き、緊張・戦いと呼応する交感神経を和らげます。喫煙者がタバコを吸う理由を、一様に「リラックスできるから」と言うのはこのためですね。ストレスフルな生活を送る現代人にとって、タバコが欠かせない存在というのもうなずけます。
しかし、タバコの喫煙はその一利のためだけに百害を伴っています。喫煙するのであれば、少なくとも運動やサウナなどで健康のレベルを上げつつ味わったほうがいいですね。