「販売職以上に感動できる仕事はない」

ユナイテッドアローズ創業者の重松理名誉会長は、「小野里社長から店舗スタッフの社会的地位を高めるのだという強い思いを聞き、なんとか応援したいと思って」と初回、2回目ともに最終審査の場へ駆けつけてくれた。そして、現場で頑張るすべての店舗スタッフたちにこんなエールをいただいた。

小野里寧晃『リアル店舗を救うのは誰か』(日経BP)

「私は店舗スタッフの先輩で、販売職をスタートしてから2022年で45年がたちました。販売の仕事はすばらしい仕事です。仕入れやマネジメントなどいろいろな仕事がファッションビジネスにはありますが、やっぱり一番の感動を自ら得られるのが販売の仕事。店舗スタッフは経験をバックボーンにお客さまに合った形でサービスの提供につなげていくわけですが、最終的にお客さまにお買い上げいただき、最後に本当に満足していただくと、『ありがとう』と言っていただける。販売職以外の仕事もいろいろやりましたが、販売職以上にこんなに感動できる仕事はないと思う」

これは、まさに僕らが声を大にして世の中に伝えていきたいことだ。

オンラインとオフラインを股にかけた店舗スタッフの活躍なくしては、もはやリアル店舗の窮状は救えない。担い手不足や賃上げなど、喫緊の社会課題から目を背けるのは簡単だ。しかし、そこに未来はない。「やらない理由」を探すのはやめて、店舗スタッフと共に前に進んでいこう。

世の中のムードをそんなふうに変えていくのが、僕らの使命だ。

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