犬は女王に気を使わない…コーギーを愛した理由

女王の動物好きはよく知られている。犬に関しては、父ジョージ6世より誕生日に子犬をプレゼントされてから、ずっと飼っている。

多賀幹子『英国女王が伝授する 70歳からの品格』(KADOKAWA)

繁殖も続けており、一時は数えきれないほどだったという。2012年のロンドンオリンピック開会式の時は、ヘリコプターで上昇していく女王を2匹のコーギー犬が名残惜しそうに見上げていた。また、女王の国葬では、バッキンガム宮殿の外に愛犬が姿を見せ、女王の棺をいつまでも見送った。

女王はバッキンガム宮殿で月曜から金曜まで仕事に励み、週末は郊外のウィンザー城で休みを取った。訪問客があればそうはいかないが、なるべく忙しい日々から離れたひと時を意識的に持つようにした。その時には、必ずと言ってよいほど動物と触れ合った。

犬は相手が女王とは知らない。それがよかった。女王は気を遣われることなく、女王も気を遣うことなく、心から安らぐことができた。動物との触れ合いは、女王にとってなくてはならない癒しだった。

90歳を超えてもウィンザー城で乗馬を楽しんだ

馬もまた女王は大好きだった。外遊から帰ると、まっすぐ馬に会いに行ったとのうわさがあるほどだ。3歳から馬に乗るようになり、生涯に亘って馬を愛し、馬と一緒の写真も多く撮られた。90歳を超えてからもウィンザー城の広大な敷地で乗馬を楽しむ姿が目撃されている。

馬好きは、長女アン王女に受け継がれ、その長女のザラさんにも引き継がれている。ザラさんはロンドンオリンピックの馬術競技に出場して、メダルを獲得している。女王は毎年、アスコット競馬場で多くの参加者と共に競馬を楽しみ、競争馬のオーナーとして声援を送っている。賞金も1年で約7千万円以上を獲得した時もあったという。

国葬に参列したシャーロット王女が黒のコートドレスの胸につけていたのが、上品なシルバーの馬蹄形ブローチ。馬好きのひいおばあ様に敬意を表したのだった。

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