健診より3年に一度の心臓ドックのすすめ

本当に心筋梗塞や脳梗塞を予防したいと考えるのでしたら、健康診断などではなく心臓ドックや脳ドックを受けることをお勧めします。

心臓ドックを3年に一度ほど受ければ、心筋梗塞のリスクを早期に発見することができるでしょう。心臓に血液を送り込むための冠動脈のどこかで、動脈硬化を起こして血管が狭くなっている部分があるかどうかをチェックできるからです。

CT画像によって実際に冠動脈を直接確認できますから、血液検査などの基準値で判断するよりもはるかに正確に冠動脈の状態を把握できます。

というのも、たとえコレステロール値が正常値であったとしても、心筋梗塞になることはあるからです。逆に、コレステロール値が高すぎても冠動脈が非常にきれいだという人もいます。つまり、血液検査のデータというのは、それくらいあてにならないものだということなわけですが。

さらに言うと、解離性大動脈瘤などを早期に発見することもできますから、CT画像によって冠動脈の状態がリアルにみられるということの意味は非常に大きいのです。これらの問題を発見できたならば、バルーンやステントを使って血管を拡張させればいいのです。

実は日本は、この血管拡張の技術が非常に優れていることで世界的に有名です。海外の要人が日本にわざわざこの血管拡張治療を受けにくるほどなのです。

ですから、なんら長寿の根拠にならない基準値に振り回されるだけの健診を受けるくらいであれば、きちんとした心臓ドックを3年に一度ほど受けるようにしてください。がんなどに比べれば、こちらのほうが高い予防効果が期待できます。

しかも、ある程度治せるものだと言えるので、数年に一度、心臓ドックに費用をかけるというのは、無駄な健診に毎年足を運ぶよりもよほど費用対効果が高いでしょう。

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ちなみに、心臓ドックは基本的に保険適用がなく全額自己負担です。受ける検査項目によって費用に差があります。また、自分が加入している健康保険団体から助成金が出る可能性もありますので確認してみてください。

脳ドックも動脈瘤を早期に発見できるので、くも膜下出血を予防するうえでは効果的でしょう。脳の血管をMRIで見ることができるというのが大きなポイントで、閉塞へいそく狭窄きょうさくがあった場合、動脈瘤の破裂を防ぐさまざまな手段で、くも膜下出血などを予防できることは少なくありません。

ちなみに、脳ドックで認知症の早期発見ができるのではないかという期待をされることがありますが、認知症は早期発見してもろくな治療がないうえ、発症前の認知症をきちんと予見できる検査は今のところないので、そのためのものではないとご理解ください。

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