低学年に必要なのは基礎学力と身体感覚

低学年の学習で大切なのは、基礎学習と身体感覚をともなったさまざまな体験をさせることだ。これをないがしろにして、難しい問題ばかり解かせても意味がないばかりか、その後の伸びを止めてしまう。

低学年のうちは、「読み・書き・計算」をしっかり身に付けること。近年の中学入試の問題文は非常に長く、読解力が要になっている。こうした問題を前にしたとき、「こんな長い文章は読めないよ……」と怖じ気づいてしまう子は、難関中学には合格できない。どんなに長い文章を前にしても「まずは読んでみよう」と前に進めるようになるには、読むことに慣れることが大切だ。また、正しく読むには言葉や漢字を知っていなければならない。

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さらに、近年の思考系・記述問題を解くには、図を書いたり、条件を整理したりといった手を動かしながら解決の糸口を見つけていく「考える型」を身に付けることが重要になっている。書くことに慣れておくこと、書くことを面倒くさがらないことが、その後の成績に直結してくる。そして、言わずもがな算数の基礎となる計算力を盤石なものにしておくこと。この3つさえ押さえておけばいい。

学習の目安としては、学年×国語・算数各10分。1年生なら国語10分、算数10分の計20分、2年生なら国語20分、算数20分の計40分、3年生なら国語30分、算数30分の計1時間机に向かうことができれば十分だ。そうやって、まずは毎日の学習習慣を身に付けるようにしよう。

最も大事なのは、身体を使った学びだ。子供は遊びやお手伝いなど、日常の体験を通じていろいろなことを学んでいく。子供は何かに熱中しているとき、学びのセンサーが大きく動く。

例えば好きな鉄道を調べているときに、「共通点はここ、相違点はここ」と仲間分けをしていたり、砂遊びで砂の山を崩さないようにするにはどうしたらいいか、遊びながら試行錯誤していたりする。また、外に出ればさまざまな自然現象に出会い、料理などのお手伝いの中で物質の変化を知る。そのときは、「なぜそうなるのだろう?」と分からないことも多いかもしれないが、中学受験の勉強が始まってからいろいろなことを学んでいくなかで、「あっ、あのときのアレがこういうことだったんだな」と、自分の体験と新しい知識が結びつく瞬間がある。そのときの「なるほど!」という納得感が勉強を楽しいものにしていく。その数が多ければ多いほど、勉強好きになっていくのだ。