「共感力」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、共感力をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

マイナスからプラスへの変身のコツは「意見を言う練習をする」こと。

共感を示したあとに必ず、「~してみたら?」「~しましょうか?」と、提案で締める形にするのです。

最初は簡単な提案で構いません。「連日、残業続きでまいったよ」「昨晩は子どもが急に熱を出しちゃって……」という人がいれば、「疲れているでしょう。お茶でも買ってきましょうか?」とさりげなく言ってみるのです。

慣れてきたら、知人から相談をもちかけられたり、会社の会議などで発言の機会が与えられたりしたときも、一歩踏み込んで「それだと、こう考えるといいかもね」「仮にこうしてみてはどうでしょうか」と提案してみましょう。

提案せざるを得ない状況に身を置けば、「自分なりの意見」を出す力も自然と身についてくるものです。

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その場で繕うとあとで大変な目にあう

ホンネをつい飲み込んでしまう
人にすんなりと受け入れられる
こんなことで悩んでいませんか?

○ わからないことがあっても、人に聞くことが苦手
○ できそうもない頼まれ事を、安請け合いしてしまう
○ 上司に「わかった?」と聞かれたら、反射的に「大丈夫です」と答えてしまう

相手に悪く思われたくないという思いからか、なんとかその場だけを取り繕ってしまい、あとで大変な目にあうことはありませんか。

そのままにしていると、

○ ついつい自分を後回しにしてしまう
○ やらなければならないことが山積みになる
○ 結局自分の手に負えず、相手に迷惑をかけてしまう……

といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。

変身ポイントは「空気を読む力」

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは、変身ポイントである「空気を読む力」がマイナスにあらわれているからです。

「空気を読む力」とは、その場の状況から、自分に期待されていることを推し量ったり、相手の仕草や言葉から、相手の心の中を感じ取る力のことです。

ここでの悩みのように、「自分を後回しにしてしまう」「つい引き受けてしまう」といった「空気を読む力」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。