日本列島の「発作」は100年に一度起こるもの

最近私は、もっぱら2038年に想定されている南海トラフの地震を考えています。地震そのものが問題なのではありません。この日本では、こうした大災害はほぼ100年に一度起こります。日本列島の発作みたいなもので、問題はその発作の落ち着き方だといえます。日常が変化してしまいます。

大正デモクラシーや「狭いながらも楽しい我が家」とエノケンが歌ったマイ・ホーム主義といった雰囲気は関東大震災で消え、治安維持法の改正、軍人内閣、さらには戦争へと歴史は一直線に進みました。安政の江戸大地震は東南海地震と並行し、やがて安政の大獄から倒幕運動へと進むことになりました。

日本社会は「空気で動く」といいますが、こうした天災の後は空気が一変するのでしょう。

2038年の後はどうでしょう。私は多分生きていないので、知ったことではない、というのが正直なところですが、いわゆる日本の将来はここにかかっていると思わざるを得ません。災害の後にどのような日常を想定するのか。

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「ろくな患者ではない…」

養老先生、再び病院へ行く』は前著の続きです。前著が意外に好評を得たので、引き続きということで本書が成立しました。

その後、私自身はまったく元気に日常を過ごしています。おかげさまで入院のことなどほぼ忘れてしまいました。次に入院することがあるとすれば、もはや一巻の終わりということだろうと思います。

しかし本書で触れたことは、最近考えていることなので、病気のおかげと言ってもいいかもしれません。