みんなで選挙に行って、ノーをつきつければいい

出口治明『ぼくは古典を読み続ける 珠玉の5冊を堪能する』(光文社)

連合王国やアメリカは、ロックの考えをもとにして国家をつくっていますから、今でも「自分たちの言うことを聞かない政府は次の選挙で入れ替えればいい」という考えが強く残っています。

ところが日本では、政府が市民に対立する強い権力組織のように考えられているようです。日本のメディアもそのように報じることがよくあります。国家権力に抵抗するためにデモをする、というのは国家の権力が強大なものと考えているからです。これは、ホッブズの考え方に近いとわかりますね。

ロックの社会契約説の基本的な考え方では、人間は自由であり、政府は自分たちがつくるもので、今の政府がイヤならみんなで選挙に行って、ノーをつきつければいい。これがまさに民主主義の考え方です。

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