ホス狂いをバカにするホス狂いの風俗嬢
自分だけを一途に愛してくれている担当ホストとの幸せをその他大勢の風俗嬢たちに知ってほしい。Twitterでアピールしたい――。しかし、その感情とは裏腹に「ホス狂いと思われるんじゃないか」という不安もつきまとう。なぜなら、ホストを自宅に住まわせている自分以外の風俗嬢たちを、「ただのホス狂いが……」と普段から自分も軽蔑しているからである。
でも自分だけはどこにでもいるようなホス狂いではない。本当の愛を手に入れた幸せな女であると思いたい。でも、一緒に歩いているところをほかの風俗嬢に見られてしまったら。
「とはいっても、風俗の子が簡単に入れる物件ってやっぱり限られるじゃないですか。だから必然的に同業者が集まるマンションになってしまうので、悩んでも意味ないんですよ」
自殺や殺人が多発する“呪われたマンション”
(前出の社員)東新宿駅から徒歩6分。抜弁天交差点にあるマンションは、とある事件で世間に強烈な印象を残した。2019年5月に元ガールズバー店長・高岡由佳受刑者(当時21歳。)が、「好きで好きでしょうがないから刺した」と、ホストの男性を包丁でメッタ刺しにしたのである。
エントランスで、血だらけになった高岡容疑者がタバコを吸いながら電話をしている画像がTwitter上に出回ったが、いまだに記憶に残っている人も多いだろう。前出の社員によれば、このマンションは界隈の不動産業界では不吉な物件として知られているという。
「あの事件のほかにも殺人、自殺が原因で数部屋が事故物件になっています。すぐ隣のマンションでも自殺が多発していて、両方のマンションを合わせて私が知っているだけでも10件近い事件・事故が起きています。真裏に墓地があるんですよ。あまりにも人が死ぬので呪われた2軒と私たちは認識していますね」
また、歌舞伎町2丁目の区役所通り沿いにあるタワーマンションは審査がゆるゆるで、キワモノ住人が多く集まる。歌舞伎町の本カジ(バカラ台が室内にあり、生身のディーラーがその場にいるカジノ)の元ディーラーの女性に聞いた話だ。
「インカジ(インターネットカジノ)は風林会館周辺のビルに点在していますが、本カジはこのタワマンに多いですよね。本カジが入っていたり、その向かいに半グレが住んでいたり、いろいろあるマンションですから、住人同士のトラブルもかなり多いですよ。ヤク中も多いし、よく住人が飛び降りています」
ヤクザの事務所が多数あることで、ある意味平穏が保たれているヤクザマンションよりも、こちらのマンションのほうが刺激的な日々を送ることができるかもしれない。築年数も浅いタワーマンションでありながら、27平米の部屋で11万ちょっとである。