もしかして認知症? と思ったら

では、家族は、何をすればいいのでしょうか? ――家族のいちばん大きな仕事は、認知症と診断される前にあります。両親らの様子から「認知症ではないか」と見抜き、たとえ親が嫌がっても、いろいろと調べた上で、信頼できると思える病院まで連れていくことです。

両親らの状態に疑いをいだき、病院まで連れていけるのは、家族だけです。

「認知症である」という診断は、プロの医師にも難しいのですが、「認知症ではない」という判断は、一般の人にもできます。逆にいうと、「認知症でないと、言いきれない」と感じたときが、医師へ相談するタイミングなのです。

病院に連れて行くタイミングを見極めるポイント

では、どのようなときに、病院に連れていけばいいのか――。

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次のような症状が出たときには注意してください。同居していれば、いろいろと気づきやすいでしょうから、ここでは、おもに親と離れて暮らしている場合に注意したい点を中心に、お話しします。

大きく分けて、そのポイントは次の二つです。

ポイント1 家の中の様子に変化はあるか

まず、実家に帰省したとき、家の中が次のような様子になっているときは、要注意です。

・家の中が汚くなった
・家の中から異臭がする
・郵便受けに配達物がたまっている

とりわけ、掃除好きのはずの母親が、まったく掃除をしていないような様子のときは、認知症か、あるいは「老人性うつ病」が疑われます。

ポイント2 身だしなみの乱れ

一方、身だしなみが乱れているときも、認知症、あるいは老人性うつ病が疑われます。たとえば、

・以前はおしゃれだったのに、いつも同じものを着ている
・季節に合った服装をしていない
・清潔さに無頓着になっている

というような状態です。