人気店になったきっかけは「ライダーの口コミ」

――ぶた丼のとん田が、行列の絶えない人気店になった最初のきっかけはなんだったのでしょうか?

【小野寺】北海道にバイクツーリングに来ていたライダーさんたちの口コミですね。移転前のお店の近くに、ライダーさんたちのための宿泊施設であるライダーハウスがあって、そこに宿泊されたライダーさんたちがよく食べに来てくれました。

――でも、たまたま帯広に立ち寄ったライダーさんの口コミだけで、人気が広がるものなのでしょうか?

【小野寺】とん田を訪れたライダーさんが北海道の他都市に行った際、各ライダーハウスのノートに、ぶた丼のとん田で豚丼を食べた感想などを書いてくれていたみたいなんですね。ライダーさん同士の仲間意識はかなり強いようで、ノートの口コミを見た別のライダーさんが「そんなにおいしいなら行ってみよう」と来てくれるようになり、その輪が広がっていったと聞いています。

――各宿のノートに書かれた口コミにそんなにも影響力があったんですね!ちなみに、それはいつ頃の話ですか?

【小野寺】「ぶた丼のとん田」をオープンしてすぐの話なので、2003年ですね。当時はSNSはもちろん、mixiもない時代ですから、そうしたバイクコミュニティのつながりは今以上に強かったのだと思います。

その後からメディア取材のお話をいただくようになって、やはり口コミが口コミを呼ぶんだなと身をもって実感しました。

メディアの取材が相次ぎ、知名度は全国区に

――メディア取材がいつ頃から来るようになったんですか?

【小野寺】覚えている限りでは、まず2007年に『るるぶ』さんなどの雑誌に掲載されました。翌年の2008年には『メレンゲの気持ち』の石塚英彦さんの  コーナーで紹介していただきましたね。

撮影=プレジデントオンライン編集部
店内には著名人のサインがずらりと並んでいる

――地上波の番組で取り上げられたことによる影響は、やはり大きかったのでしょうか?

【小野寺】その後の反響はやはり大きかったのですが、最も実感したのはテレビからの取材が一気に増えたことでした。テレビ局の方もテレビを見てオファーをくださるんだなと思いましたね。