満腹にならないと食べた気がしないのは異常

普段から炭水化物を食べている人は、炭水化物特有の胃がはち切れるような満腹感に慣れてしまっています。しかし、はち切れるような満腹感は本来、異常なものなのです。

炭水化物を減らせないという人は、必要な栄養素を得るという食事の本来の目的からずれて、胃がはち切れるほど食べることが目的になっている可能性が高いです。

このような状態が毎日続けば、胃腸に負担がかかるだけでなく、肥満や生活習慣病のもとになります。

胃腸科には、「ゲップが気になる」「みぞおちのあたりの圧迫感がある」といった症状で受診される人が多いですが、そもそもそれらの大半は炭水化物の食べすぎが原因です。

何より、その食べすぎに気づいていないことが大問題なのです。

現代人は食事の奴隷!?

自分もその傾向があるなと思う人は、まずはダイエットの前に自分の正常な食欲を知る必要があります。

肉は単独で食べた場合、食欲は暴走しないため、本来の食欲を知るためにはもってこいの食材です。たとえば豚肉もしくは鶏肉をソテーして、それだけを満足するまで食べてください。この際、調味料は塩のみで、こしょう、醤油、ソースといった食欲を増進させる調味料は使わずに、油やバターだけでソテーするのがポイントです。

ほとんど味が付いていないので当然食べ飽きると思いますが、「食べ飽きたから、もういいかな」と思った量が、本来の正常な胃の容量であり、正常な満足感です。

福島正嗣『朝食にパンを食べるな』(プレジデント社)

おそらく100グラム程度でも飽きてしまう人も多いでしょう。思ったよりも食べられないことに驚くと思います。私も10年以上前に自分で実験した際に、この程度の量で満足するのかと驚くと同時に、自分の食べ過ぎを反省しました。

現代人は炭水化物や調味料により、食べているというより食べさせられているのが実態に近いかもしれません。このことに気づかないと、いつまでたっても食事の奴隷のままです。

本来の食事は、味気ないものなのです。なぜなら食事の本来の目的は、楽しむためではなく、必須栄養素を得るためにあるのですから。

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