太る原因は追加インスリンの分泌

前述したように、「太る=カロリーの取りすぎ」というのは古い考え方です。

食事の内容により体の消費カロリーは大きく変わるため、痩せやすい体質をつくるためにも、消費カロリーが大きい栄養素であるタンパク質や脂質を摂ることは重要です。しかし、体脂肪が蓄積しないようにインスリンホルモンもコントロールすることも重要です。体脂肪が蓄積する原因は、過剰な糖質の摂取にともなう高インスリン血症(追加インスリン分泌)とわかっています。

インスリンが分泌されれば、タンパク質や脂質からブドウ糖をつくる糖新生が抑制されるため、消費エネルギーの大きな比率を占める基礎代謝が低下し、太りやすくなります。

以前は、3大栄養素の一つである脂質を大量に摂取することにより肥満が起こると考えられていました。しかし、仮に脂質のみを摂取した場合は追加インスリンがほぼ分泌されないので、太ることは理論上ありません。

低脂肪食を継続した場合と低炭水化物食を継続した場合では、低炭水化物食のほうが体重をコントロールできることは、すでにわかっています。

では、「脂質を摂ると太る」という定説はまったくのでたらめかというと、そうではありません。脂質を摂取した場合に太ることもあります。それは脂質と一緒に糖質を食べたときです。

実際の食事で脂だけを食べることはほぼないので、一緒に食べる食材が問題となります(私はたまにバターだけ食べることもあります。一般的には非常識ですが、まったく太りません)。糖質が多ければ、脂質は皮下脂肪に摂り込まれて太ります。

要は、糖質、脂質、タンパク質のエネルギー比をどうするかが重要になるのです。

まずは必須栄養素をきっちり食べること

私自身は、10年ちょっと前に糖質制限を始めて、炭水化物を減らしました。毎日3食のうち夜の白米をきっぱりやめて、脂が比較的多い豚肉とキャベツのみというメニューにしました(糖質制限をする前は、白米は2分の1合から多いときで1合食べていました)。

私は、この糖質制限を10年以上たっても続けています。糖質制限前に72キロだった体重が60キロとなり、現在もリバウンドすることもなく維持できています。

減量は最初のきっかけが重要です。肥満を飢餓と仮定すると、食べないダイエットは困難です。まずは食べることから始めて、ダイエットに対してのハードルを下げることが重要だと考えています。

糖質制限でダイエットをするなら、最初は以下のいずれかの方法で始めるのがいいでしょう。

①夕食の炭水化物を減らして、肉や魚を多く食べる
②朝食を抜くか、朝食の炭水化物をなしにして、バターコーヒーや卵料理に変更する
③昼の定食のご飯をやめる、もしくはうどんやラーメンをやめてサラダチキンに変更する

ポイントは、脂質を増やして満足感を出すことです。

炭水化物をいきなりなしにする必要はありませんが、1日の糖質量は100グラム以内、かつ1食の食事の糖質量は30グラム以内にする必要があります。

ちなみに、一般的な主食の糖質量は、ご飯1膳は糖質50グラム、パンは30グラム、うどんは60グラム、そばは50グラムです。

ヘルシーに思われているそばでも、1食しっかり食べれば追加インスリンが出るため、その日は痩せることは不可能になります。