「住宅ローン地獄」は35年以上続く
その背景には、住宅価格の上昇と住宅ローンの長期化があります。2010年の住宅価格の平均を100とすると、2022年6月の戸建て住宅は114.9、マンションは180.1まで上がり(季節調整値)(※2)、それに伴って借入額も増加しています(図表3)。
2012年に戸建てを取得した人の借入額が2792万円、マンションが2298万円だったものが、2021年にはそれぞれ3406万円、3337万円となっています(※3)。
そして、毎月のローン返済額を抑えるために返済期間が長期化し、35年以上が多くを占める結果となっています(図4・図5)。
2012年は35年以上の占める割合が、戸建て53.5%、マンション59.5%でしたが、2021年にはそれぞれ79.0%、71.2%となっています。一次取得者の世帯主の年齢は、戸建てが37.2歳、マンションが39.5歳ですから(※3)、35年ローンを組んでいたとすれば、70歳を超えても払い続けなくてはならないというわけです。
※2 国土交通省『不動産価格指数(住宅及び商業用不動産)』(令和4年6月・令和4年第2四半期分)
※3 国土交通省『住宅市場動向調査』2016年度・2021年度