定年後の二つの働き方

では60歳以降の具体的な働き方はどう考えればよいのでしょう?

これはかなり多岐にわたるお話で、本が一冊書けてしまうくらいですが(実際に私は出しました)、簡単にいうと、その方法は二つ、「自分が会社でやってきた業務能力を生かすこと」と「趣味を仕事にする」ということです。

若い人が新しく興した企業では、ベテランの社員を求めていることが少なくありません。本業部分はよいのですが、経理、営業、総務、コンプライアンスといった部分は人材がいないことが多いため、企業を定年退職した人に、それらの仕事をお願いしたいニーズはあるのです。

会社以外のつながりを持っておく

大半のサラリーマンは、「自分には特別な能力なんてない」と思っているでしょうが、自分が会社員時代に経験してきた業務は、案外ニーズが高いものなのです。

一方、趣味を仕事にすることも、できないことではありません。

例えば、日曜大工が趣味の人であれば、ホームセンターで顧客アドバイス業務をすることもできます。あるいは自分の趣味をブログに綴ったことが仕事につながるケースもあります。

大事なことは、好きなことをとことん突き詰め、継続すること、そしてできるだけ会社以外の人とのつながりを持つことです。それによって60歳以降の仕事が得られるきっかけは生まれてきます。

何よりも大事なのは、サラリーマン時代とは180度発想を変えて仕事を楽しむようにすることです。公的年金が受給できるのであれば、生活していけないわけではありませんから、何よりも「自分が楽しむ」ということに、いちばんのプライオリティーを置くことだと思います。

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