セックスは2人で楽しむもの

妊活に責任を感じている真面目な夫ほど、「必ずセックスをしなくてはいけない」と緊張してしまいがち。

今井伸『射精道』(光文社新書)

そのため「排卵日はあえて気にすることはやめましょう。週に2~3回、ただセックスを楽しむようにしてください」と、僕はアドバイスするようにしています。

また、パートナーの女性にも「ピンポイントでセックスの日を指定すると緊張してしまうので、はっきり告げずに、排卵日前後の性交回数を自然に増やしていきましょう」とお話ししています。

また、もし排卵日にパートナーの男性がうまくセックスができなかったとしても、それを責めたり、嫌みをいったりすれば、男性はさらに緊張するようになってしまいます。

そうした場面では、「そういう日もあるよね」と穏やかにサラリと受け流すこと。そして、排卵日にこだわり過ぎず、チャンスがあれば2人のセックスを楽しむという余裕を、夫婦共に持ってほしいと思います。

どんどん射精をするほうが良い精子になる

「そんなに回数を増やしたら、精子の数が減りませんか?」といった質問をされる方がときどきいます。しかし、実は「よい精子は頻回に宿る」というのが正解です。

先述したように、禁欲期間を長く設けたほうが「精子が濃くなる」と思い込んでいる人が意外と多いのですが、それは正しくありません。

延べ9489件の精液検査データを解析した研究によると、精子の数が少ない男性は禁欲期間を1日とした場合に最も精子運動率がよく、0~2日とした場合に正常形態精子が最も多くなりました。逆に、禁欲期間が11日以上になると、精子運動率と正常形態精子が共に低下したのです。

このことから、禁欲せずにどんどん射精をするほうが良い精子になる、と考えてよいでしょう。