小学生に「言葉の力」をつけさせる家庭環境の条件
小学生の場合、言葉の力をつけるためにもう一つ欠かせないのが家庭環境だ、と霜先生は強調する。
「家で親が本を読んでいて、子供を一人の他者として尊重し、大人どうしの会話が交わされるという家庭風景が理想かも」
言葉の吸収力が高い小学生なら、大人の使う難解な言葉もどんどん身につけていく。
「さらに、親子で楽しみながら同じ本を読めるといいですね」
読後に好きな場面をたずねて、親子の会話につなげられるといい。こうして読解力、記述力の基礎を身につけると、年々、高度に変化する大学入試問題にも、うまく対応できるような18歳に成長するはずだ。
そうした子は、「本番の入試でも、過去問との違いや変化を読みとり、それを楽しめるような余裕」(霜先生)をもつ生徒に育つに違いない。
今は入試問題だけでなく、社会の価値観も大きく変わりつつある。未来を見通すことが難しい。そんな中で「変化はウエルカム」という生徒たちが、たくさん出てきているという。変化こそチャンスだ、と生き生きと未来に立ち向かう子供たちだ。その話を聞いて、私も元気づけられた。