抜本的な改革をやりまくった結果、日本は衰退した

現代の日本でも、1990年代や2000年代、政治、経済、行政から教育に至るまで、「構造改革」という標語の下、さまざまな改革が行われました。

「日本を抜本的に変えないといけない」と叫ぶ改革派の政治家を、国民は支持してきました。「平成」は、構造改革の時代だったといえます。

写真=時事通信フォト
「平成の構造改革」は失敗に終わった(第9回経済財政諮問会議に臨む竹中平蔵経済財政相と小泉純一郎首相。2001年5月31日撮影。肩書は当時)

しかし、その結果、日本は、どうなったのでしょうか?

衰退の一途を辿っただけです。

平成の時代に行われた一連の構造改革のうちで、成功したものが一つでもあったでしょうか。

日本が衰退したのは、抜本的改革を怠ったからではありません。その反対に、抜本的改革をやりまくったからなのです。

18世紀末に、バークが『フランス革命の省察』で警告したことを理解していれば、こんなことにはならなかったことでしょう。

しかも、繰り返しになりますが、その抜本的改革に邁進してきた自由民主党が、「保守」と呼ばれているという始末ですから、情けない話です。

では、改めて、どうして革命やら抜本的改革やらは、失敗するのでしょうか。

『フランス革命の省察』から、そのポイントとなる箇所を引用しましょう。少し長くはなりますが、実に味わい深いことが書いてあります。