球団数を増やすことを考える時が来ている
今、NPB球団に求められるのは、古井戸をさらに掘り下げることではなく、あらたな「水脈」を探すことだ。地方から撤退するのではなく、全国でプロ野球振興の手を打つべきだ。そのために地域保護権(フランチャイズ)の緩和も考えるべきだ。
さらにいえばエクスパンション(球団拡張)も考えるときだ。MLBは、半世紀以上ア・ナ16球団でやってきたが、1961年から数次にわたりエキスパンションを実施。今では両リーグ30球団になり、2000万人台だった観客動員は半世紀で7000万人超にまで拡大した。
この間、アメリカンフットボール(NFL)、バスケット(NBA)、アイスホッケー(NHL)の人気が高まり、MLBは「オールドボールゲーム(古い球技)」となった。エキスパンションがなければマイナースポーツに転落した可能性もあった。
NPBは、小規模ながら地方で野球興行を行っている独立リーグ30球団との連携を強化すべきではないか。
NPB球団のプロパー社員から「親会社から来た幹部は、自分の退職金や本社に帰る期日ばかり気にして、何一つ変えようとしない」という愚痴を聞いたことがある。
守勢に入ったビジネスが発展することはあり得ない。プロ野球の栄華には陰りが見えるのだ。まだ企業としての体力が残っているうちに「ナショナルパスタイム」としての輝きを取り戻すために、打つべき手を次々と打っていくべきだろう。