お金を使うことで育つ財産もたくさんある
都心から少し離れた埼玉や千葉で家賃を5万以内に抑え、洋服はフリマアプリで買って月3000円。日用雑貨はセリアやダイソーといった100円ショップを中心に購入して数千円。贅沢は年に1、2回の旅行だけで、あとは預金や投資でお金を増やす――。
数年前に「ミニマリスト」という言葉が流行りましたが、現代の若者たちはナチュラルに節約志向で、自然とミニマリストになっているのかもしれません。プロのファイナンシャルプランナーの私の方がよほど計画性のないお金の使い方をしているなと反省したほど、彼女たちの金銭感覚・資金管理は揺るぎなく、“信念”のあるものでした。
一方で、私が一点だけしたアドバイスがあります。それは「お金をもっと使って」。ファイナンシャルプランナーはあまり口にしない言葉かもしれません(笑)。でも、出費を控えるだけでなく、お金を使うことで育つ財産もたくさんあると思うのです。
お金を使う人が少ないほど賃金は減る
実際、私のお客さまの働き世代の女性たちも、今は圧倒的に堅実派が多い。月100万単位で稼いでいる方ですら、ものすごく貯蓄をします。日本に対する不安が強いのでしょう。しかし、当たり前ですが、お金を使う人が少なければ少ないほど経済は縮小し、それが自分の賃金にも跳ね返ってきます。そんな負のループの中にいる今、お金を使うことが怖い気持ちも本当によくわかります。
ただ、彼女たちのように若くして1000万円以上の貯蓄ができたツワモノなら、もっと自分に投資してもいいと思うのです。
たしかに、意味のない飲み会も多いでしょう。でも、なにもかも「コスパ」のものさしだけでジャッジしてしまうと、結局は大きなところで損をするような気がします。お金を使うことも、人と出会うことも、すべては経験。それを「浪費」にするか「投資」にするかは、自分の心持ちともいえます。