9月末までは改定前・改定後の料金を比較できる
見積もりは比較しやすいように補償内容をそろえるのが望ましいのですが、会社ごとに商品性に違いがあり、なかなかピッタリとはいきません。新築割引や築年数別割引、Web申込割引やオール電化割引など、独自の割引制度を設けているケースもあります。違いを考慮しながら慎重に比較してください。
冒頭で10年の長期契約は割引率が高いといいましたが、割引率も保険会社ごとに異なり、築年数ごとの保険料設計も異なりますので、必ずしも10年一括が最安とは限りません。
現在加入中の火災保険の保険料が、いきなり10月から変わるわけではありません。改定の影響を受けるのは、改定後に新規に契約するか、更新をしたタイミングです。
9月30日までは改定前・改定後の両方の料金体系で試算を依頼することができます。複数社の保険料を比較したうえで、わが家にとってリーズナブルに利用できそうな保険会社を選択し、次の更新まで待って見直すのか、10月までに見直すかを判断します。
「1年一括払い」より「5年一括払い」は3万円安い
たとえ同じ保険会社で同じ補償内容であっても、保険期間や払い方が異なれば保険料も変わってきます。参考までに、以下の試算条件のもと、改定前の保険料体系で比較したものをお示しします。(図表2)。
保険金額:火災保険金額(建物2580万円 ※・家財700万円)
※建物の保険金額は2022年1月時点基準の再調達価額
5年間の保険料支払総額を比較すると、毎年保険料を支払うという事実は変わらなくても、「保険期間5年毎年支払い」のほうが「保険期間1年一括払い」より2万円弱安くなります。もし、まとまった支出が可能であれば、「保険期間5年一括払い」が約3万円安くなり、さらにお得です。
また、10年の長期契約廃止の背景には、地球温暖化により自然災害の将来予測が困難になっていることがあります。今後もこの傾向が続き、保険料が上がっていくと考えるなら、5年一括よりもさらに高額の出費にはなりますが、今のうちに「保険期間10年一括払い」で契約をしておくという判断もあるでしょう。