普段からケアレスミスの多い部下がまた失敗

<Case2:登場人物>
北風上司 総合イベント会社営業一課課長。1977年生まれ(45歳)。入社から営業一筋。売り上げ目標、ノルマに厳しく、それを達成するには手段を選ばないところがある。
堀家咲良 入社2年目。オンライン会議の予約を間違える

完璧にやったつもりなのに、ミスをしてしまう。何度も確認したはずなのに、信じられないような間違いをしてしまう。

これ、今に始まった話じゃない。昔から、何をやってもケアレスミスが多い。いろいろなことをよく間違える。何度も確認したはずなのに、学生時代の中間試験のとき、翌日の試験科目を間違えて勉強して慌てたこともある。緊張しているときほど、焦ってミスが出てしまう。自分で、自分が嫌になる。

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つい先日、部会のためのオンライン会議を予約する担当になった。

午後1時半からの予定。何度も確認したはずなのに、みんなから「つながらない」とメッセージが入る。

調べてみると、13時30分で予約するところを、誤って深夜の1時30分に予約していた。

失敗を前提にした言葉ばかり部下に投げつける

慌てて修正したけれど、北風上司は、

「堀家にやらせたら、こうなると思ってたよ」

と、にがり切ったような捨てゼリフ。「こうなると思ってたよ」って、失敗が前提になっている。もちろん私が悪いんだけれど、やっぱり傷ついた。

昨日も、退社しようとしたとき、北風上司から声が掛かった。

「堀家、連休前までに仕上げておけと言った資料はどうした?」

え? 連休前? 私はすっかり「連休後」だと思っていた。この連休中に仕上げようとしていた。

「だから、俺は言ったんだよ! 堀家に任せて大丈夫か? って。おまえら、どうするんだよ!」

と、私ではなく、部下全員に声を上げている。

私は、いつも失敗が前提。はなから信頼されていなくて、「だからいわんこっちゃない」と、私のせいでみんなが怒られる。

私は足手まといなんだ。みんなの足を引っ張っているんだ。ここにいると迷惑をかけてしまうんだ。そんな思いが心と体をぐるぐる回って、気持ちが悪い。胃酸の味がして、吐きそうになった。