開成と筑駒、桜蔭は鍋が豪華
ところ変わって関東。男子御三家のひとつ・開成中学校(以下、開成)と、国立の最難関・筑波大学付属駒場中学校(以下、筑駒)はどうか。
こちらは灘に比べてホテル食は少なく、3年間通してホテル食を挙げたのは、筑駒の「ホテルのルームサービスのビーフカレー」のみ。「モスバーガー」や「コンビニのカツサンドとおにぎり」といったリーズナルブな外食や、受験生定番の「カツ」系の弁当など、テイクアウトも少なくなかった。中には、寸暇を惜しんでか「カップラーメン」で済ませた受験生も。
ただし、この二校に関しては全体的に多かったのが鍋ものやうどん、普段通りの和食、カレーなど。鍋ものの内容が、すき焼き、しゃぶしゃぶなど、水炊き、魚の鍋、ほうとうと、バラエティーに富んでいた。特に、すき焼きやしゃぶしゃぶは、開成、筑駒、後述する桜蔭に共通して多かった。
なお、前出の灘の受験生は、同じ鍋でもすき焼きやしゃぶしゃぶは見られず、地域柄か味噌鍋、そしてちゃんこ鍋、豆乳鍋が挙がっていた。また後述する渋幕に関しては、鍋料理が「ほうとう」のみ。関東のトップ高は男子校、女子校問わず、肉をふんだんに使う鍋がお好みなのだろうか。
いずれにせよ、開成も筑駒も、それほど凝った手料理が見られないのは灘と同じ。子供の人生に大きな影響を与える中学受験で、親はほどよく手間を省きながらも、肉で精をつけ、身体を温めて翌日最大のパフォーマンスを発揮させたいと願っているようだ。そして鍋を囲んで緊張する心をほぐしたい……。そんな親心が垣間見られる。