洋食が目立つ桜蔭

続いて、女子の最難関である桜蔭中学校はどうか。まず、男子校や共学校にあったファストフードは皆無。また、ボリュームのある肉料理も男子校に比べて少なく、あったとしても、ゲン担ぎと思しき「カツ」系やステーキなどがちらほらみられる程度だ。

洋食の多さも、男子校には見られない特徴だ。「カルパッチョ」「ミネストローネ」「鮭のムニエル」「ロールキャベツ」「クリームシチュー」などなどバラエティーに富んでいた。また、「ケーキ」や「いちご」といった甘いものを挙げていたのも男子校にはない点。これまでがんばったご褒美か、好きな物を食べて本番に臨んでほしいという親心だろうか。

日本のストロベリーショートケーキ
写真=iStock.com/Hanasaki
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「おうちごはん」が中心の渋幕

最後に紹介するのは、共学校の最難関である渋谷教育学園幕張中学校こと、渋幕だ。インタビューは他校より1年分少なく、コロナ以降の2021年、2022年の合格発表に実施。

前述の通り、2021年は新型コロナの影響で都道府県をまたぐ受験者が大きく減少した。親が在宅でテレワークをしている中、子供が1時間以上かけて満員電車に乗って通学することに違和感を覚える家庭が多かったからだと言われている。

その影響からか、千葉にある渋幕は、特に灘中学で多く見られたホテル食や外食にありがちなメニューがほとんどなかった。もちろん、うなぎやカツなど、テイクアウトらしいメニューも多かったが、基本的には家庭内で食べたことがうかがわれる食事内容だった。例えば、「カツ」系を含む肉料理、「カレー」「うどん」「普段通りの和食」などだ。