朝のパンをやめただけで

「○○さん、まずは朝のパンをやめてみませんか?」

これなら患者さんも次の日から実践できるので、1日に摂る炭水化物をコントロールする説明を延々とするよりも、ずっと効果的でした。

実際に朝のパンをやめた患者さんからは「胃もたれや逆流感、下痢がなくなった」「喘息の発作がなくなった」など、胃腸の不調だけでなく、体の不調が改善されたという声が聞かれました。

食事改革に積極的に取り組んでもらえるきっかけになっただけでも嬉しいのですが、患者さん本人に体調改善を実感してもらえると、次のステップにも進みやすくなります。

「じゃあ、夕食でも炭水化物を控えてみましょうか」という提案をすると、さらに効果が上がるという好循環が生まれていきます。

現代人の食事は、炭水化物中心に構成されています。

福島正嗣『朝食にパンを食べるな』(プレジデント社)

丼ものや寿司、ピザ、パスタ、お好み焼き……。肉や魚は食べなくても炭水化物だけは欠かさない、という食習慣の人も少なくないでしょう。

しかも、その食習慣により自分が過食になっている事実にすら気づいていません。

胃腸の専門家から言わせてもらえば、食パン1枚やご飯1杯、うどん1杯、パスタ1皿という標準的に食べている量でも、胃にとっては過食なのです。

なぜなら、人間の消化管は炭水化物を大量に処理できる仕様には、なっていないからです。

そのため、パンやお米をはじめとする炭水化物を食べないようにすると、慢性的な胃腸や体の不調のみならず、生活習慣病やがんの予防、そしてアンチエイジングといった効果も得られるのです。

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