小麦をやめたら胃痛と逆流感がなくなった!

夜の炭水化物をやめてからまず感じたのは、肉と野菜だけの食事だと異常なぐらいお腹が空くということでした。今まで胃がはち切れるぐらい満腹になるまで食べていたので、パンやご飯を食べずに、おかずだけにすると、いくら食べても胃の中が満たされないような感覚があります。

それでも炭水化物制限を続けた結果、今まであった食後の胃もたれや胃痛、逆流感が消え、胃酸を抑える薬に頼ることも、いっさいなくなりました。さらに、それまで炭水化物によりもたらされていた異常な満腹感ではなく、胃本来の満足感を知ることができたのです。

この体験は自分にとっては、まさに目からウロコでした。今まで胃痛といえば胃酸を抑える薬や粘膜保護剤を出すことしか頭になかった診療を、恥ずかしく思いました。

そして、胃痛の症状の4~6割ともいわれる「機能性ディスペプシア」という病態は、小麦を含む炭水化物に原因があるのではないかと考えるようになったのです。

胃腸科の受診理由トップ3

胃腸科を受診する理由の大半は、「胃もたれ」「胃液が上がってくる」「胸や喉が詰まる感じがする」という症状です。

こうした胃の不調の場合、胃酸を抑える薬や胃粘膜保護剤による治療が一般的です。

軽快しない場合は内視鏡検査をすすめられ、胃潰瘍やひどい胃炎、もしくはピロリ菌が見つかる場合もあります。治療によってこれらの症状が治まればよいのですが、治まらないケースも少なくありません。

そのため、何度も通院したり、胃痛だけでなく喉の違和感があれば耳鼻科を紹介され、耳鼻科で問題がなくてまた内科へ戻るといった「たらい回し」を繰り返すケースもあるでしょう。

もちろん、通院して症状が軽快すればいいのですが、長年通っても薬をもらうだけで一向によくならないと感じている人もいると思います。

通院してもよくならない原因不明の胃痛

私自身も、糖質制限を始めるまでは、胃もたれの治療については、上司に教わった通りに胃酸を抑える薬や粘膜保護剤を処方していました。患者さんによくならないと相談されても、「胃潰瘍でも治るお薬を出しているから、きっとよくなると思いますよ! これ以上の薬はないですから」と説明していました。

しかし、処方を続けても、あまり改善していないなという印象を持つことはありました。

ただ、医師としては胃がんや胃潰瘍を否定できれば、患者さんの命に関わる病気はそうそうありません。私自身が外科医だったため、「胃もたれは内科の仕事」と割り切って、本気で胃もたれに向き合うことはありませんでした。