女性同士のカップルの4割は子育てをしている

近年では離婚やひとり親家族、再婚家族も多く、家族の形が実に多様化している。2017年には同性婚が可能となり、レインボーファミリーも増えている。女性同士のカップルの4割が子育てをしていて、2019年時点で、レインボーファミリーで育つ子どもは1366人。ここ10年ぐらいの間にLGBTQはよりオープンになり、周りもより理解が進んでいると感じる。

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社会も多様な家族の形に寛容になってきている。ハロネン元大統領が1978年に未婚で子どもを産み、シングルマザーとして子育てとキャリアを両立させていた時のことをインタビューで聞かれた際には、「周りの目に、かわいそうなどといった偏見の色が見られなかったので、自尊心を失わずに前に進むことができた」と答えていた。友人を見ていても、兄弟や家族のメンバーの離婚や再婚を温かく見守り、受け入れているように映る。そんな様子を見て「本当はどう思うの?」と聞いてみると、「最近は珍しくないし、まあ本人が良ければいいんじゃないかな」とあっさりとした答えが返ってくる。

「家族」に正しい形はない

保育所や義務教育の現場でも家族の多様化は子どもたちによく語られている。片親だけの家族、父親が2人いる家族、海外からの養子を迎えて、見た目が全く違う家族もいる。中学の現代社会の教科書では、「家族」の項目に、家族写真として男性同士のカップルとアフリカ系の子どもが写っているものが使われていたり、「家族とは同じ冷蔵庫の食べ物を食べている人たち」と定義され、家族に正しい形はなく、子どもの有無や性別は関係ないと説明されていたりする。人それぞれ、家族もそれぞれ。多様化する家族の形に対して寛容でいる社会をつくることも、男女にかかわらず一人ひとりの生きやすさにつながっている。