※本稿は、西崎彩智『人生が変わる 片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
子どもへの「片づけなさい」がダメなわけ
多くの親が子どもに対して「片づけができるようになってほしい」と思っています。でも片づけって、「大きくなれば自然にできるようになる」というものでもないんですね。やはり片づけって親の背中を見て学ぶことが大きいです。
いつも部屋の中がぐちゃぐちゃの中で育ったのであれば片づけ方は学べないし、モノの置き場所がきちんと決められていない家であれば「片づけなさい」と言われてもどう片づけていいのかわかりません。
しかも、中学生、高校生になり親からの自立が進むと、一緒にいる時間が減る上に、思春期は日常のコミュニケーションも難しくなります。「もっと小さい頃に片づけを教えるべきだった」というのは多くの親御さんがおっしゃいます。
でも、お子さんが今何歳であっても諦めるのは早いです! 今日が子どもにとって一番若い年齢ですし(もちろん、私たちもですが)、もし今親御さんが片づけに真剣に向き合おうとしているなら、その姿にお子さんは刺激を受けるはずです。
片づけを学ぶことで“自律した生活”を送れる力が身につきます。
時間通りに起きられない、自分の荷物も片づけられない、家のことも何もできないという大人では、たとえ立派な大学や会社に入っても生活や仕事をしていく上で困ることが多くなります。
ですから一日でも早く、子どもたち自身に片づけることの重要性、メリットを伝え、実践していくことが大事だと思っています。
・受験勉強するときに自分でプリントやノートを整理する力
・部活などで忙しくても勉強する気になる環境をつくる力
・やりたいことをやるための時間管理能力
これらの力も、“自律した生活”で身につきます。
まずは片づけの目的を話そう
私は中高生に「片づけ」のワークショップをやることもあるのですが、最初は生徒たちは「片づけは苦手」「片づけをする時間がない」と言います。
そこで、実際に生徒たちに1日の時間の使い方を書き出してもらうこともあります。そうすると結構スキマ時間やムダに過ごしている時間があることがわかります。その時間を活用すれば、さっと片づけもできるし、効率的に時間が使えることがわかるんですね。
片づけはモノをしまうだけでなく
●必要なモノをすぐに取り出せて生活や勉強がしやすい環境をつくることが大事であること
●片づけは時間管理と密接に関係があること
を話すと、みな納得した顔になります。
今まで「片づけ=叱られながら嫌々やるもの」と思っていた子たちも、片づけのメリットがリアルにわかるようになると、がぜん興味が湧くようです。