キョーダリョノクとスカベエワのやり取りの動画は、ロシアのソーシャルメディアサイト「フコンタクテ」上で拡散され、5月17日朝の時点で380万回以上視聴されている。
戦争反対を掲げるユーザー「History of the War」は、「ロシア国営テレビのトーク番組で、ウクライナについて驚くべき意見のやり取りが行われた」とコメントし、さらにこう続けた。「ロシアにとって唯一の脅威は、オリガ・スカベエワのような妄想にとらわれた人物だ」
オルガ・レベデワは「ミハイル・キョーダリョノク大佐はおそらく、この『変人集団』の中で最も分別のある専門家の一人なのだろう」とコメントし、こうつけ加えた。「彼がもう(番組に)呼ばれないのではないかと心配だ」
ナターシャ・ティモフェーバは、「この発言を軸に、ロシアの状況を変えることができる政治勢力が形成される可能性がある」と書き込み、別のあるユーザーは、国営テレビで「常識のある意見」が放送されたと書き込んだ。また別のユーザーは、「国営テレビで、現在起きていることについての客観的な見解が放送された」とコメントし、「近代では滅多にない」ことだったと述べた。
ロシアの国営テレビで、ウクライナでの戦闘について今回のような否定的な意見が放送されたことに、ツイッター上でも多くのユーザーが反応した。ロシア国営テレビはこれまで、ウクライナでの軍事作戦の成功を大々的に吹聴し、西側諸国に対して脅しをかけてきたからだ。
「あの部屋の中で彼が最もまともだった」
コラムニストのノア・スミスは、「勇気ある発言だった。現実が広まりつつあるのは嬉しい」とツイートした。この書き込みをさらに、ウッドロー・ウィルソン国際研究センターの研究員であるカミル・ガレエフがリツイートした。
ガレエフは「あの部屋にいた全ての人の中で、彼が最もまともだった。それはおそらく、軍での十分な経験を持っている唯一の人物だったからだろう」と書き込み、さらにこう続けた。「ロシアの多くの有識者は、政府のプロパガンダを基にロシア軍の能力を評価した。キョーダリョノクは、自らの実体験に基づいて評価した。ウクライナでの戦闘について、彼がほかの面々よりもずっと悲観的な意見を述べたのも当然だろう」