小国だからこその「人こそが資源」という考え方

フィンランドにいると、自然に年齢や性別の「フレーム」がなくなるのを感じる。それはどうしてなのかとフィンランド人に問えば、決まって「フィンランドは小さい国だから」と始まり、こう続く。「豊かな天然資源があるわけでもなく、人口も550万人に過ぎない。だからこそ、一人ひとりが国の大切な資源であり、その資源に投資し、それぞれが能力を伸ばして発揮できる社会にする必要があるからね」。

堀内都喜子『フィンランド 幸せのメソッド』(集英社新書)

手厚い子育て支援制度や様々な福祉制度、博士課程まで無償で全ての人に高い質の教育を保障している教育制度、失敗しても生活を維持でき、何度もやり直せる社会、肩書きや年齢、性別、家庭環境、経済的な背景とは関係なく資質や能力をフラットに評価する文化。これらはまさに、「人こそが資源」という考え方につながっている。

以前、フィンランド人の友人が「アメリカン・ドリームという言葉があるけど、本当はフィンランド・ドリームの方がすごいと思うんだよね」と言っていた。年齢も性別も家庭環境も関係なく、自分がしたいことを実現でき、それが評価される社会がそこにある。マリン首相はまさに、それを体現している1人だと言えるだろう。

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