営業成績に唯一影響するのは「年齢と社歴」
このAI分析をするまで、私たちは、「成約率を高めるためには、コンサルタントの論理力や分析力、構造化力、プレゼンテーション力が重要だ」と考えていた。
ところがAI分析結果によれば――どのスキルについても営業成績との間には、特に強い相関関係は見出せなかった。ただ意外なことに、一つだけ有意な関係性が見出せたデータがあった。それがなんだったかといえば――「年齢と社歴」だ。
分析を担当したデータサイエンティストは、一瞬、訳がわからなかったという。しかし、少し考えてみれば、納得できる結果だった。デジタルに強い若手社員に、社歴の長い成熟企業を開拓させても相手にされないし、逆にアナログに強いベテランスタッフに、社歴の短いベンチャー企業を開拓させても商談が噛みあわない。
つまり「若いやつには若い会社、ベテランには古い会社をあてれば、成約率は高くなるよ」というのが、AIからの回答だった。
うーむ。これは、コロンブスの卵だ。
今の世の中、デジタルに強くないと生き残れないといわれているが、AIからのアドバイスは、デジタルに弱い人材を閑職へと追いやるのではなく、「今いる人材を得意な場所にアサインすれば、活躍できるようになりますよ」ということだった。
AIは、人よりも人に優しかったのだ。
AIを活用する組織に生まれ変わるための突破口
このように、今まで人間だけでは気づかなかった、異なるデータ同士の「つながり」が、AIによりスピーディに見出せるようになると、誰もが自分らしく働いていれば、自然に結果が出せるようになっていく。
しかし、ここで重要になってくるのが、「あなたが働く組織は、AIが活用できる準備ができているか?」ということである。準備が整っていれば、社員はさほど努力を要せず、新しい価値を創出できる時代に入ることができるが、整っていなければ、どんなに時間をかけて努力しても、何も生み出せない。
そこで、AIを活用する組織に生まれ変わるための、突破口を開くツールをお教えしよう。それが、ダッシュボードだ。