経営者がいなくてもAIで会社は動いていく

「こうなると、仕事が残るのは、経営者ぐらいですか?」と考える人もいるだろうが、もはや経営者さえ、いらない。

なぜなら、ある日、経営者がポックリ亡くなったとしても、AIは何も気にせず、いつもどおりに車両を自動発注し続け、無人で車両は周回し続けるからだ。

そうして月日が経ち、その会社には誰も働く人間がいなくなった時、

・果たして、その会社のオーナーは誰なのか……?
・誰が納税申告をすべきなのか?
・そして税務調査が入った時には、誰が対応するのか?
・ロボット運転手には給与を払うべきか、それとも減価償却費で対応すべきか?

笑い話のようであるが、そんな問題も真剣に考えなければならない時代が、もうそこまできている。

第4次産業革命の世の中では、IoTによってモノ同士がつながり、AIによってオペレーションが自動化される結果、もはや人間の判断を超えた成長が始まる時代になる。

ビッグデータ分析に取り組む人工知能のイメージ図
写真=iStock.com/Golden Sikorka
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AI分析が見出した、生産性の本質

これだけ聞くと、よくある「AIが人間の仕事を奪う」という話に聞こえるだろう。しかし、実際にはAIは、人間をもっと「人間らしく働くことができる」という世界にいざなってくれるのだ。

仕事の中でも、特に営業職はプレッシャーの高い仕事だろうが、これからはAIの力で、もっと気楽に結果を出せるようになる。今までは、売るためには説得しなければならなかったが、これからは、会いにいくだけで売上が上がるようになるからだ。

このことに気づいたのは、私が顧問を務めるコンサルティング会社で、自社のコンサルティング営業スタッフの成約率を引き上げる要因について、AI分析を行った時だった。

まず先入観なしに、社内外からデータを大量に集めることから始めた。たとえば、既存の顧客企業データ、コンサルタントごとの営業実績、資質プロファイルデータ、対象となる顧客の企業情報、財務データなど、思いつく限りのデータを収集・整理して、どさっとデータベースに投げ込む。そして売上に最も影響する要因はなんなのかという問いを、AIに投げるのである。

あなたは、何が、営業成績に大きな影響を与えると思うだろうか?