マイルールは「会議で必ず笑いをとる」
このゲーム化は、決められた作業以外でも使えます。
僕はかつて、取引先などとの会議に参加するときは、「必ず1回、笑いをとる」というルールを自分で決めていました。
基本的に会議は煩わしいものですが、自分の中で「笑いをとる」というミッションを課すと、「今日はどうやって笑いをとろう」「どこでボケようかな」とワクワクしながら臨めるようになります。
笑いをとるためには、相手のキャラクターを理解しないといけないので、相手の話をちゃんと聞くようになるというメリットもあります。
このように、ゲームの要素や仕組みをビジネスや勉強に取り入れることで、楽しみながらモチベーションや効率を上げる手法は「ゲーミフィケーション」と呼ばれています。ビジネスなどでも用いられている手法なのですが、目標は別に難しいものにする必要はありません。
たとえば、「打ち合わせ後に誰よりも早く礼状メールを送る」という目標でもいいんです。単にタイムアタック競技としてやるのもいいですし、続けることで「こいつ、がんばってるな」と気にかけてくれる人もあらわれるかもしれません。
じつは、このゲーム化というのは、子どもの頃によくやっていた、「今日は道路の白線しか通ってはいけない」といった遊びと同じなんです。日常の中にあることをゲーム化するというのは、じつは誰もがやっていることなんですよね。
もちろん、本来であれば仕事自体で結果を出すのが理想でしょう。でも、モチベーションが上がらない仕事であれば、自分が楽しめる要素を見つけてゲーム化するのは、誰でも使えるテクニックなんです。
ゲーム化することでストレスを減らせる効果もあるので、クソどうでもいい仕事を振られたときには、ぜひ試してみてください。
「切り替えスイッチ」を自分の中に持つ
ユーチューブなどでも、よく「いまの仕事が好きになれない」といった相談を受けたりします。そういう質問をする人は、前提が間違っているんですよね。まずは、そもそも「楽しい仕事なんてない」という大前提を受け入れることから始めたほうがいいと思います。
この前提を間違えている人が多いんですよね。
メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手のように、好きなことをやり続けて、才能があるからそのままプロになりましたという人は、レアケースです。社会全体から見たら、大好きなことで飯が食える人はごく少数の恵まれた人たちで、それ以外の人にとって仕事がイヤというのは当然でしょう。
基本的に会社がお金を払って人を雇うのは、イヤなことでもやってくれるからです。つまり、人がやりたがらないことをやる代わりに、お金をもらっているわけです。なので、仕事は基本的にイヤなものという大前提のうえで、どうせイヤなことをやるなら楽しくやったほうがいいよね、と考えられるかどうかなんですよね。
こうしたイヤなことを楽しむ方法が、先ほどの「ゲーム化」です。
僕も学生時代には、先ほどの惣菜売り場以外にも、たくさんのバイトを経験しました。いろいろなバイトをした中で、僕の場合、できる限りサボってお金もらうパターンと、どうせやるなら楽しくやったほうがいいよねというパターンと、2パターンありました。「楽しくやろう」というスイッチが入ったバイトはけっこう成績もよかったです。スイッチが入らないときは本当にクソバイトでしたが……。
なので、オン/オフが切り替えられるスイッチを自分の中に持っておくと、イヤな仕事でも苦にならないようになるでしょう。
同じように、「この仕事は自分に向いていない」と嘆く人も多いのですが、この考え方もやめたほうがいいです。
「自分には向いてない」と思い込んでしまうと、失敗したりイヤなことがあったときに、「だってオレ、この仕事向いてないし……」という負の感情が増幅されるだけですからね。
基本的にどの仕事も、やってみたらそれなりにおもしろいし、それなりにつまらないんです。なので、仕事は好き嫌いで選ばないほうがいいです。