プロセスの「型」を身につける

プレーヤーの人が「変数」を見つけ出すためには、プロセスを試行錯誤する必要があります。上司から思いつくままに口出しされながら教えられるより、一度、自分でやってみたほうが学べることが多いはずです。

とはいえ、そのカンどころに個人差が出てしまいます。

センスのいい人はいち早く「変数」を見つけ、どんどん仕事が上達します。センスがない人は置いていかれます。そのような差が生まれることを避けないといけません。

どんな業界や職種でも通用する「型」は、たしかに存在します。基本的に仕事は「PDCA」を回すことです。

では、変数を見つける「仕事ができる人」は、どのようにプロセスと向き合っているのでしょうか。

仕事の「中身」を細かく砕く

まず、仕事の工程を細かく分けるところから始めます。

「変数」を見つけるためには、やることを時系列で整理するのがポイントです。たとえば、自社で開発したシステムを商品に、法人営業で契約を取る業務をしているとします。

これを、「PDCA」に置き換えましょう。「P(目標)」は、「月3件の契約を取ること」だとします。「D(行動)」は、「1日4件のアポを入れること」だとしましょう。

さらに、1つの業務を時系列に分けると、次のようになります。

1. 最初のアポイントを入れる

2. お試し期間としてシステムを試してもらう

3. 契約の申込みを獲得する

というように、1つの契約を取るまでの工程を3つに分けることができます。

「行動量」を増やすためには、最初の工程を増やすことです。とにかくアポをたくさん入れることに集中します。

ここから、さらに成長する人は、それぞれの工程での問題点を整理します。

安藤広大『数値化の鬼 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法』(ダイヤモンド社)

たとえば、アポが2倍に増えたのに、契約件数が2倍になっていないとします。それぞれの数字をかぞえてみると、以前は、

・アポ 60件

・お試し 6件

・契約 1件

という状態でした。そして、「行動量」を最優先した結果、

・アポ 120件

・お試し 12件

・契約 1件

と、改善できたとします。

アポが2倍になったおかげで、12件のお試しの導入にまでこぎつけています。

ただし、最終的な申込みにまでは1件しか進んでいないことに気づきます。

ここで、どのようにプッシュすればいいのか、そこに「変数」が隠れていそうです。

ガムシャラにアポを増やしながらも、「最後の契約に結びつけるには『どこ』を頑張ればいいのか」にフォーカスしてみます。