中学受験でグループディスカッション
また、伝統女子校でも新タイプ入試を始める学校は多数あります。近年理数教育に力を入れている山脇学園女子中学校・高等学校(東京都港区)は「探究サイエンス入試」を、和洋九段女子中学校高等学校(東京都千代田区)は、2019年度に「PBL型入試」を始めています。和洋九段女子では、6年前からPBL型の授業を各教科で行っていました。PBLとは、問題解決型学習のことで、「思考力」「協働性」「プレゼンテーション力」など、これからの時代に不可欠となる力を実践的に身に付けることができると言われています。
私が取材した2021年度の入試では、「AIとともに作る理想の未来とは」というお題が提示され、受験生たちは配布されたPCを使ってその場で調べながら、自分の意見をまとめ、その後グループでディスカションをして、最終的にグループとしての意見をまとめて発表するというものでした。「日本一入試らしくない入試を目指している」というだけあって、入試ということを忘れるくらい、受験生たちが入試を楽しんでいました。
受賞歴や英語力を問わない「思考・表現型入試」
2019年開校のドルトン東京学園中等部高等部(東京都調布市)も、開校当初から2科4科だけでなく、英語入試やこれまで打ち込んできたものの評価を加えるプラス型入試を行ってきました。4年目の今年から始まったのは、受賞歴や英語力を問わない「思考・表現型入試」です。
これは、出願理由書の提出と日本語か英語を選択して臨む作文と面接だけで合否を判定します。その狙いを安居長敏副校長は「何ができたかではなく、一生懸命取り組んできた中で自分がどのように変化してきたのか。さらにその経験を入学後どのように生かしていくのかという本人の意思を重視したいから」と説明します。学習者主体の学びを掲げる学校だからこその評価軸ですね。このように、どの学校も教育方針に合わせた入試を行っているのです。