NYの民間警備会社に委託する案が浮上

だが、そうした見回りだけでは万が一の事態が起きた場合には対応できないから、

「小室さん夫婦の警備をNYの民間警備会社に委託する案も浮上しており、外務省と警察庁の担当者が検討を始めています。また、その警備費用の原資について、外務省報償費、いわゆる外交機密費を充てるという案も検討されています。トップの外務次官が前のめりなのです」(同)

外務省報償費とはどういうものか、元外務省主任分析官の佐藤優氏によれば、「使途を秘密にしなければならない外交活動に使うためのお金です。相手の名前を出せない会食代やプレゼント代に充てられたり、時にはお金そのものを相手に渡すこともあります。報償費は外務省本省に割り振られるものと、在外公館に割り振られるものがあります」

令和4年度外務省所管「一般会計歳出予算各目明細書」によると、「外務省本省の報償費として10億円、在外公館の報償費として17億円、計27億円の予算が計上されている」(週刊新潮)

その使い道は謎に包まれていて明かされることはめったにないそうだが、1999年に起きた「キルギス日本人拉致事件」で、人質解放のために政府が、300万ドル(約3億円)を外務省報償費から支払ったと、当時官房副長官を務めていた鈴木宗男参議院議員が明かしたことがあった。

警護代、車両代金、常駐費などで「年間8億円」

もし、警備費用を機密費で賄うとすると、いくらかかるのか。週刊新潮でアメリカの警備業界関係者はこう語っている。

「脅迫文や事前に分かっている脅威がない場合、警備員ひとりにつき1時間5000円で受ける場合もあるでしょうが、パパラッチに追われるリスクがあるとなると、最低でも1時間8000円は提示します」

週刊新潮がアメリカの警備会社に見積もりを出してもらったところ、一番安いプランでも月額3881万2000円という金額になったという。内訳は「警備対象者の側近警護代が時間単価1万2000円×24時間×2名×31日で1785万6000円。警護対象者の車両運転も同様の計算で同額。警護対象者の車両代金として1日5万円×2台×31日で310万円」だそうである。

時間単価が1万2000円になっているのは、「元皇族ということで身代金目的の誘拐などに巻き込まれるリスクを想定しなければならないからです。これに私邸常駐警備などもつけると、月額費用は7000万円を超えます」(同)

年間で8億円を超えることになり、それを報償費で払うとなると、在外公館の報償費17億円の半分が消えることになる。