少量でもいいので毎日勉強すると習慣化しやすい

このことは私の指導経験とも一致します。

週に2回しか授業がなく、宿題も比較的すぐに終わる量しかない小4の子たちよりも、週に5回、6回と塾に来て勉強し、毎日たくさんの宿題をこなしている小6の子たちのほうが、「塾が楽しい」「勉強が楽しい」と言う子が多いのです。

人の行動は「楽しい→やる」だけでなく、「やる→楽しくなる」という関係性もあるのですね。

だとすると、小4の子でも、それほど宿題が多くないからといって、1日でまとめて片付けるようなやり方はもったいないですね。できれば毎日、少なくとも週に4日以上、少しずつ勉強するようにしたほうが、勉強を楽しく継続できるでしょう。

塾に通い出す前の低学年の子でも、毎日必ず机に向かって勉強する習慣をつけておくとよいですね。たとえ5~10分でも、必ず何かをするようにしてくださいね。

イラストレーション=伊藤ハムスター

「明日こそちゃんとやろう!」を繰り返す

目標を決め、それを達成するための行動計画も決まり、「さぁやろう!」となったとき。ちょっと面倒になって、「あとでやればいいんじゃない?」と思ってしまうことって、私たち大人でもありますよね? こうした先延ばし癖は、習慣化の大敵です。

仮に、先延ばしした勉強の「借金返済」ができたとしても、先ほどの「頻度を増やす」に反することになるので、勉強を習慣化することにはつながりません。

長期的に見ると、まとめてドカンとやる作戦はデメリットが大きいのです。まして、借金を返済しきれなかったら、目も当てられませんね。

しかし、多くの子どもは、その失敗をします。

しかも、何度も繰り返します。

「明日こそちゃんとやろう! その分今日は楽しんじゃおう!」

その繰り返しなのです。

なぜこのような失敗をしてしまうのでしょうか?

それは、人には「先のことを楽観的に考える習性」があるからです。