「ギリギリ合格」でも下を向く必要はない
2022年度の中学入試が終わり、受験生はそれぞれの進路が決まったことだろう。晴れて第1志望校に進学する子、第2、第3志望校に進むことになった子、公立中学に通い高校受験でリベンジを決意した子などいろいろだろう。だが、どんな結果であっても、気持ちを新たに、前に進んでほしい。なぜなら、中学受験は人生のゴールではないからだ。
よく、中学受験で無理をしてギリギリ合格で進学するよりも、成績上位で入った方が有利と考える親がいる。確かに中学受験で無理をさせることは、小学生の子供に大きな負担がかかる。だが、それは子供の実力と大きくかけ離れているにもかかわらず、何がなんでも上位校を目指させるようなケースを指す。入試で上位合格しようが、ギリギリ合格しようが、その学校に合格できたという点で、学力の差が大きく開いているわけではない。むしろ、上位で合格したことで安心してしまい、その後の勉強をさぼり、中学・高校でまったく成績が伸びない子もいる。
一方、補欠合格をして進学した子は、自分はギリギリで合格したと自覚しているので、入学後も努力を惜しまずに勉強に励む。その結果、大学受験で第1志望の難関大学に進学する子も多い。そもそも受験生のほとんどがボーダーラインで合格しているのだ。その差はわずか1~2点。だから、補欠合格で進学したからといって、自分を下に見る必要はまったくない。大事なのは、入学後、どのような姿勢で勉強と向き合うかだ。
受験後2週間遊んだら、中学の準備を始めよう
中学受験が終わったら、結果はどうあれ、まずは思いっきり遊ばせてあげてほしい。でも、2週間もすると、遊ぶだけの生活にも飽きてくるだろう。そのタイミングで、中学で好スタートを切れるように準備を始めておこう。中学受験でせっかく身についた学習習慣を崩さないためにも、少ない時間でいいから毎日勉強に向き合うことをすすめる。
進学先の中学からは、おそらく春休み中にやるべき宿題が出るだろう。だが、その内容はほんの1日、2日で終わってしまう程度で、それだけやって満足してしまわない方がいい。また、学校から「数学と英語は中学に入ってから学習する教科なので、入学前に予習をする必要はない」と言われることが多いが、それを鵜呑みにしてはいけない。というのも、難関中学では、この程度の内容は分かっているだろうという前提で、授業がどんどん進んでいくからだ。