第一志望校は一度決めたら迷わない
年が明け、中学入試がスタートした。2月1日から東京、神奈川で入試が行われる。首都圏の受験生にとっては、ここからが本番だ。
「合格できなかったらどうしよう……」
「やっぱりもっと安全志向にするべき?」
直前期は不安が押し寄せる。だが、迷ってはいけない。今から第一志望校を変更したり、受験校をやたらと増やしたりすると、親の不安が子供に伝わるからだ。
コロナ禍2年目となる今年の中学受験。各校の出願者数が見られるサイトを見ると、中堅校の受験者数が増加している。コロナ禍でオンライン授業になったり、学校見学に行けなかったりするなど、例年と比べて十分な受験対策ができなかったことから、あまり高望みはせずに確実に合格できる学校を狙う安全志向の家庭が多いようだ。
それでも、第一志望校に行ける子は、受験生全体のおよそ3割と言われている中学受験。厳しい戦いになるのは変わらない。だからこそ、親は迷う。だが、子供の前で不安な表情を見せるのは禁物だ。一度決めた第一志望校は、たとえまだ合格可能圏に達していなくても、挑戦してみていいだろう。そのかわり、第二志望校以降の受験校の幅を持たせておくようにしよう。万が一、第一志望校が不合格で、第二志望校以降の学校に行くことになったとしても、「この学校のこんなところがいい」「この学校ならわが子にとって良さそうだ」と思える学校を選ぶことが重要だ。
直前期は理社を伸ばして得点獲得
中学受験の勉強は、国語・算数の主要2教科に多くの時間を割く。だが、直前期に力を入れるべきものは、理科・社会だ。よく中学受験は算数が得意な子が有利と言われているが、今、この時期に算数の得点を伸ばすのは現実的ではない。それよりも理科と社会をそれぞれあと10点アップさせる方が合格に近づく。とはいえ、前に習ったことを忘れていることは多い。忘れたものはもう一度覚え、また忘れたらもう一度覚える。このもぐらたたきのような学習を入試前日まで続けることだ。
確認はこれまで使っていた教材でいい。そのときに、問題を読んで答えさせるのではなく、答えから問いを説明させるようにする。例えば、理科の植物ではオシロイバナが頻出するが、「双子葉なのに胚乳のある植物は?」と聞いて、「オシロイバナ」と答えさせるのではなく、「オシロイバナの特徴を教えて」と聞いてみる。そうやって、問いと答えを結びつける学習をしておくと、少し角度の違った問題が出たときでも、知識として思い出すことができるようになる。