いよいよ本番直前。コロナ禍の影響も残る2022年度の中学受験はどうなるのか。『プレジデントFamily』編集部が学校のコロナ対策、出願動向、狙い目の学校など、気になる点を事情に精通する専門家に聞いた――。

※本稿は、『プレジデントFamily2022年冬号』の一部を再編集したものです。

Q 21年度のコロナ禍による影響は、22年度はどうなる?

A 「コロナ禍で迎えた2021年度入試は、異例ずくめでした。受験会場での感染防止策として時差入場・退場、試験時間の短縮を行った学校も多く、直前期に対応に追われる家庭を数多く見かけました」

そう語るのは、見守る子育て研究所所長の小川大介さんだ。

「ただ、21年度に行われた出題範囲や受験日程の変更といった対応については、前回限りという学校が多いです。22年度入試については、よほどのことがない限り、大幅な変更は発生しないでしょう」(小川さん)

一方で影響として残るのが、出願傾向だ。中学受験「スーパー過去問」シリーズを発行している声の教育社の後藤和浩さんはこう語る。

『プレジデントFamily2022年冬号』
『プレジデントFamily2022年冬号』。2月6日以降に受験できる学校リストのほか、直前期の理想の勉強サイクル、今から効率的に点数を伸ばせる教科・単元も掲載している。

「21年度の受験者は遠方の学校の受験を控える傾向にあったため、従来は前受け校として多くの受験生を集めていた千葉や埼玉の学校の受験者数が減少しました。各種データを見る限り、こうした出願傾向は22年度も続く見込みです」

ここ数年、中学受験者数は増加しており、合格難易度はどの学校も上昇傾向だ。

「以前は2月1日に本命を受け、2日以降に安全校という出願パターンが多かったのですが、2月1日に安全校を押さえ、それ以降で上位校に挑戦するという家庭が増えてきています」

また、コロナのもう一つの影響として、受験者数のさらなる増加が挙げられる。

「休校時の公立校の対応に不満を持った家庭が受験を決める動きがあり、受験者総数がさらに増加すると見込まれています。その結果、中堅校への出願が増え、最難関校への出願は減るという傾向が続くと予想されます。前回同様、従来の出願データを当てにしづらい受験になりそうです」(後藤さん)

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