目標の達成には日々の積み重ねが重要だ。では、ものごとを習慣化させるにはどうすればいいのか。中学受験専門塾・伸学会代表の菊池洋匡さんは「人は本能的に同じ行動を繰り返したがる。週1回より週4回のトレーニングのほうが楽に感じる」という――。

※本稿は、菊池洋匡『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

息子の歯を磨く母親
写真=iStock.com/kohei_hara
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歯磨き、入浴…「頻度」が習慣化を加速させる

この記事では、習慣化を加速させるポイントや、習慣化の失敗につながるありがちな落とし穴についてお話ししていきます。

まずは、習慣化を加速させるために最も重要な要素をお伝えします。それは、頻度です。

私たちは、歯磨きや入浴のように毎日やることに対しては、心理的な抵抗をあまり感じません。それに対して、ときどきやることに対しては、面倒くささを感じます。

勉強でもそれは同じです。毎日勉強するほうが、週に1度勉強するよりも楽なのです。

週4回以上ジムに通うと習慣化しやすい

この習慣化における頻度の重要性を示す研究が、ビクトリア大学(カナダ)の研究者によって行われました。この研究では、新しくジムに通い始めた111人の人々を12週間にわたって観察し、ジム通いが続いた人と続かなかった人の違いを探りました。

その結果、最もジム通いの習慣化と関係があったのは頻度だったことがわかりました。1週間の中でジムに行く回数が多いほど、12週間が経ってもジム通いを続けている確率が高くなりました。

特に、週に4回以上の頻度でジムに通うと、ジム通いが習慣になる確率がグンと高くなったそうです。

「人は本能的に同じ行動を繰り返したがる」とお伝えしましたが、そのことがとてもよくわかる数字ですね。週7日のうちの過半数である4回を超えると、多数決の力が「続ける」ほうに働くというわけです。

わたしジムに週4回通えた!
イラストレーション=伊藤ハムスター