しかし、これはあくまでも「理想」。例えば、手取り収入が18万円しかないけれど都心で一人暮らしなのでどうしても家賃が6万円かかる、といった場合には、3万6,000円を貯蓄に回してしまうと残りが8万4,000円しかありません。
もちろんこの中でやりくりできればそれに越したことはありませんが、それよりも大事なのは、“先取り貯蓄”という習慣をしっかり定着させること。無理をするのは厳禁です。2割が難しそうなら1割、それも難しければ0.5割からでもよいので、無理のない金額から始めましょう。
手軽で定番なのは自動積立型の定期預金
では、実際に先取り貯蓄を始めるにはどのような方法があるのでしょうか。
先取り貯蓄の方法として一番手軽かつ定番なのは、自動積立型の定期預金です。
一度設定さえすれば、銀行が毎月決まった金額を普通預金から定期預金へと振り替えてくれるので、あとは放っておくだけ。毎月の振替日は給与の振込の直後に設定しましょう。あらかじめボーナス月だけ積立額を多く設定することも可能です。
申込みは、窓口でも受け付けてもらえますし、ネットバンキングを利用していればインターネット上から申込んだり、設定を変更したりすることもできます。
財形貯蓄を活用すると無意識でお金が増えていく
また、勤め先に財形貯蓄制度がある場合は積極的に活用したいところです。
金利そのものは雀の涙の財形貯蓄ですが、なんといっても給与が振り込まれるより前に天引きされるのが最大の魅力。財形貯蓄で天引きされた分は「最初からなかったもの」として、手取り金額の中で生活することに慣れていければ、もはや無意識で貯蓄が増えていきます。
財形貯蓄には、「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類があります。
「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」は、それぞれ5年以上積立した資金を、住宅の新築・購入・リフォーム資金、老後の資金として引き出す場合には、合わせて元利合計550万円まで非課税となります。これに対し、「一般財形貯蓄」の場合には、税金の優遇はありませんが、積立開始から1年経てば自由に引き出しが可能です。