「少し頑張れば確実にできそう」な額からスタート

2つ目のポイントは、無理のない金額から始めるということ。毎月一定額を先取りして貯蓄できていれば、あとは自由に使い切ってしまってよい、とは言っても、そもそも残ったお金がやりくり可能な範囲でないと成り立ちません。せっかく先取り貯蓄を始めても、生活費の補填のためにすぐに取り崩してしまってはあまり意味がありません。

先取り貯蓄は、残ったお金でやりくりすることに慣れるまでが最大の関門。設定金額はほとんどの金融商品で細かく刻むことができますので、「2万円なら余裕でできそうだけど、3万円となると自信がない」という場合であれば2万5,000円で設定するなど、千円単位で「少し頑張れば確実にできそう」というラインを見極めて始めることもポイントです。

そして3つ目のポイントが、収入が増えたら先取り金額も増やしていくということ。転職や昇給、あるいは副業などによって収入が増えたら、先取りする金額もこまめに増額していきましょう。

とはいっても、収入が増えたら全額を先取り貯蓄の増額にまわしましょうという話ではありません。1万円昇給したら5,000円、といった具合に収入が増えた分の半分を毎月の先取り貯蓄の金額に上乗せするのでもいいですし、貯蓄残高が増えることが楽しくて仕方がないなら全額でもかまいません。自分のモチベーションが保ちやすいルールを決めておくのがおすすめです。

いずれにしても、少しずつ先取り貯蓄の金額を増やすことで将来のために貯蓄を加速化していきましょう。

コインが右肩上がりに増える
写真=iStock.com/Ghing
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手取り収入の2割が理想だが、無理は厳禁

先取り貯蓄の話をすると、よく質問されるのが、「毎月どのくらい先取り貯蓄に回せばいいのか」ということです。

答えは、収入の金額や生活状況などによっても異なりますが、あえて理想を示すとするならば、「手取り収入の2割」です。毎月の手取り収入が20万円であれば4万円、30万円であれば6万円を先取り貯蓄に回せるのが理想的。手取り収入の2割を先取り貯蓄していくと、おおよそ5年で手取り年収分が貯蓄できる計算になります。