賃貸マンションの空き家率は高すぎる水準に

空き家はその性質で分類することもできます。

売却のために空き家となっている「売却用の住宅」、賃貸のために空き家となっている「賃貸用の住宅」、別荘などの「二次的住宅」、これらに分類されない「その他の住宅」があります。

2018年には、賃貸用の住宅が約433万戸(全空き家に占める割合51%)、売却用の住宅が約29万戸(同3.5%)、2次的住宅が約38万戸(同4.5%)、その他の住宅が約349万戸(同41%)となっています。

一戸建と共同住宅等の空き家をその性質で分けると、一戸建では、「その他の住宅」が約8割を占めているのに対して、共同住宅等の空き家ではその約8割が「賃貸用の住宅」となっています。これは、賃貸用のマンションやアパートなどで入居者の退去時に一時的に発生する空き家が、共同住宅等の空き家率を高めていることを示唆しています。

もっとも、住宅市場での取引を円滑に行うためには、ある程度の空き家が必要となります。しかし、その適正比率は5~7%とされており、現在の18%という共同住宅等の空き家率は高すぎると言えます。

圧倒的に空き家が多いのは実は都市部

空き家率を都道府県別でみると、一番高いのは山梨県の21.3%で、和歌山県の20.3%、長野県の19.6%と続きます。一方、一番低いのは埼玉県の埼玉10.2%、次いで、沖縄県の10.4%、東京都の10.6%となっています。

このように、空き家率は都市部よりも地方で高くなっていますが、そもそも都市部では住宅総数が多いため、空き家数は都市部の方が圧倒的に多くなっています。例えば、空き家率が一番高い山梨県では空き家数は9万戸となっているのに対して、空き家率が一番低い埼玉県では空き家数は34.6万戸、東京にいたっては約81万戸となっています。

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