やがて4軒に1軒が空き家になる

今後、空き家の数はどのようになると予想されるのでしょうか?

国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の世帯総数のピークは2023年の5419万世帯で、その後は減少に転じ、2040年には5076万世帯になると推計しています。これは2018年の世帯数よりも約324万世帯少なくなっています。

今後、住宅の除却や減築が進まなければ、空き家数は増加することが予想されます。2008~12年度の5年間の除却率(新設住宅着工戸数に占める除却戸数の割合)は約30%でしたが、2013~17年度は62.2%と大幅に上昇しました。

野村総合研究所は、除却率が①2008~12年度の水準に戻る、②今後、除却率が高まる、という2つのシナリオのもと、今後の空き家率を予想しています。空き家率は、前者のシナリオでは2033年に25.5%、2038年には31%に、後者のシナリオでは2033年に18%、2028年に20.9%になると予想されています。

空き家の半分はマンションなどの共同住宅

ここで、空き家の実態を確認しておきましょう。

空き家は住宅の種類別に、「一戸建」「長屋建」「共同住宅」「その他」の4つに分類することができます。2018年の一戸建の空き家は318万戸、それ以外の空き家(以下、共同住宅等)は530万戸となっており、全国の空き家のうち、半分以上がマンションなどの共同住宅となっていることがわかります。

出典=宮本弘曉『101のデータで読む日本の未来

一戸建の空き家数は、1998年には183万戸であり、この20年間で大きく増加しました。また、空き家率も上昇傾向にあり、2018年には10%となっています。

共同住宅等の空き家数も、1998年の394万戸から、この20年間で30%増加しています。

空き家率は18%前後で推移しています。