今は新築も中古も割高、失敗しやすい時だ
この10年間でマンションを買った人のほとんどが買って良かったと思っているはずだ。なぜなら、購入後、価格は高騰し、含み損を抱えている人はごくわずかと思われるからだ。しかし、コロナ禍で持ち家を検討する人が増え、コロナ特需が生まれた。在庫が少ない中、この特需で価格高騰に拍車がかかった。今、売られている新築も中古もかなり割高である。割高とは、買ったら含み損を抱える可能性が高いということにほかならない。失敗しやすい時だけに、物件選びの注意点をまとめてみた。
新築も中古も割高と書いた。適正価格があるからこそ、割高と言えるのだ。ではその適正価格とは何かというと、成約した中古価格になる。物件検索サイトで見る価格は売出価格でその10%引きが成約価格の目安となる。新築でも中古でも購入検討している物件があれば、それと同じ駅で中古マンション事例をチェックしてみなければならない。面積で割った単価とグロス価格の最高値を超えて取引することは非常に難しいと心得た方がいい。
70m2の3LDKを選ぶに越したことはない
例えば、先日個人相談を受けた新築物件は1億2000万円だった。その駅での中古成約価格の上限は9000万円だった。この場所で1億を買う人はいないということだ。このため、単純に3000万円分の価格下落が起こる可能性が高いと伝えた。これを許容できるならいいが、そこまでの下落を考えていないなら、物件選定条件を考え直した方がいいことになる。
単価は適正だが、グロス価格が問題になるケースも注意が必要だ。通常のマンションの専有面積は70m2前後であるが、105m2なら通常の1.5倍の大きさになり、単価では適正の範囲でも、グロスでは問題になることがある。この逆もあり得て、準郊外で面積の小さい物件は買い手がいないこともある。売却可能なマンションを購入したいなら、原則として70m2の3LDKを選ぶに越したことはないのだ。理由は購入層が多いからでマッチングもしやすく、売りやすいのだ。
物件検索サイトの情報だけでは不安ならば、仲介会社の人に最寄り駅での成約事例の最高値を単価とグロス価格で教えてほしいと伝えよう。